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薬学生のスクラップ 2020年第2期 ③

「A型はコロナになりやすい?!」

薬学生のスクラップ 2020年第2期 ③

2020年6月17日付のNew England Journal of Medicine誌電子版に興味深い研究結果が掲載された。イタリアとスペインの患者を対象に行われた研究で、これによると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症し、呼吸機能が低下して酸素吸入または人工呼吸器が必要になるリスクは、血液型がA型の人で45%高く、O型の人では35%低いとのこと。
今回、ドイツ、イタリア、スペイン、ノルウェー、スウェーデンなどの研究者たちは、イタリアとスペインで新型コロナウイルス感染症を発症し、呼吸機能の低下(酸素吸入または人工呼吸器が必要)を経験した人々と、健康な人々の、ゲノム(DNAのすべての遺伝情報)の一塩基多型(SNP)を比較し、呼吸機能の低下と相関する領域を探しました。
今回研究者たちが用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)という方法は、多くの人に見られる代表的なSNPをマーカーとして用いて、特定の病気と関係する(その病気ではない人に比べ、その病気の患者に、高い頻度で認められる)SNPを見つけ出し、その近くに存在するはずの、
疾患感受性遺伝子(その病気になりやすいかどうかを決める遺伝子)を推定する、という研究方法です。
研究者たちは、欧州における新型コロナウイルス感染の中心地となっていた、イタリアとスペインの4都市の7病院で、新型コロナウイルス感染症を発症し、呼吸機能の低下を経験していた1610人(患者群)と、健康な2205人(対照群)を対象に、ゲノムワイド関連解析を行い、呼吸機能の低下と相関する領域を探しました。
すると、
患者群と対照群の間に有意差が見られたのは、「3番染色体の3p21.31の領域」に存在するSNPと、「9番染色体の9q34.2の領域」に存在するSNPでした。このうち9q34.2は、ABO血液型を決める遺伝子が局在する領域と一致しました。
そこで著者らは、対象者のゲノムのSNPに関する情報に基づいて、個々に血液型を推定し、呼吸機能低下との関係を調べました。すると、A型の人の呼吸機能低下リスクは、他の血液型(B型、AB型、O型)の人より有意に高く、1.45倍になり
一方でO型の人の呼吸機能低下リスクは、他の血液型(A型、B型、AB型)の人より有意に低く、0.65倍になることが分かりました。
今回の結果は、新型コロナウイルス感染症の重症化に血液型の違いが関係していることをゲノム解析によって示したもので、重症化の危険因子に関するさらなる検討に役立つと期待されています。

熱帯魚学生の感想ひよこ
新型コロナウイルスの呼吸機能低下のリスクはA型に多いということが分かった。このことから、遺伝子のある一塩基多型の有無が原因であることが分かった。このニュースから、コロナにかかわらず、血液型によってなりやすい疾患がある、例えば、O型は胃潰瘍に弱く、B型は結核に弱いなど、様々なデータがある。血液型占いのように、血液型というのものは一般的に興味を持たれやすいと思うので、これをきっかけに様々な疾患について一般の方が興味を持ってもらえたらよいと思った記事でした。


おしまいうさぎ

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薬学生のスクラップ 2020年第2期 ③