薬学生のスクラップ 2026年度 第1期 ①
『甘党に朗報? 肥満防ぐ腸内細菌 糖吸収抑え、環境改善』

肥満を防ぐ細菌
京都大と東京農工大などの研究チームは、過剰に摂取した砂糖をヒトの腸内で有益な糖類に変換するとともに、
腸内環境を改善して肥満を防ぐ細菌を発見したと発表した。
肥満や糖尿病などの新たな治療法や予防法につながると期待される。
論文は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに掲載された。
ショ糖を菌体外多糖に作り替える乳酸菌
糖の取り過ぎは肥満や糖尿病などの疾患を引き起こし、中でも砂糖の主成分のショ糖
(スクロース)の過剰摂取は大きなリスクとされる。一方、乳酸菌の一部がショ糖を分解して
菌体外多糖(EPS)という小腸で吸収されにくい糖類に作り替えることが分かっていた。
やせている人に多い傾向がある腸内細菌 血糖値などの数値も改善
京都大の木村郁夫教授らは、健康な人と肥満症の患者計約500人から便を採取し、
EPSを作る細菌を探したところ、やせている人に多い傾向がある腸内細菌が見つかった。
この細菌が作るEPS(SsEPS)を別の腸内細菌が利用し、脂肪の蓄積を防ぐ
短鎖脂肪酸を効率的に作ることも分かった。
肥満モデルマウスにSsEPSを長期間摂取させたところ、SsEPSから短鎖脂肪酸を作る
腸内細菌が増加。血液中の短鎖脂肪酸濃度も増え、血糖値などの数値も改善された。
ヒトへの応用が期待
ヒトでも同じ効果が期待できるといい、木村教授は「さらに高機能な菌やEPSの探索と、
ヒトへの応用を進めていきたい」としている。


実習先の薬局のお隣の医院が糖尿病・甲状腺が専門であることもあり
糖尿病薬に触れることが多いためか、このニュースが目に留まりました。
肥満を防ぐ腸内細菌が見つかったとのことで、ミヤBM錠のように
菌を主成分とした製剤の開発や便移植を EPS(SsEPS)製剤の開発によって糖尿病の
新たな治療法となり得るのではないかと期待される。
しかし、糖尿病患者でもやせ型の人もいるので、そういった人々の体内にはこの細菌は
いないのか、この細菌はどのような人にも効果があるのか、など、疑問も生まれました。

