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『ゲノム医療法成立』

『ゲノム医療法成立 ~託す願い 残る不安~ 』

薬学生のスクラップ 2023年 第2期 ③

『ゲノム医療法成立』



ゲノム医療法成立

遺伝情報に基づき患者に応じた治療を推進することや、差別の防止などを掲げる「ゲノム医療法」が、
参議院本会議で賛成多数で可決・成立した。

ゲノム医療は、個人によって異なる遺伝情報を詳しく解析することで病気の診断や患者に
最適な治療法や薬の選択を行う医療で、特にがんや難病などについて研究や治療への応用が進んでいる。

ゲノム医療による差別や不利益の懸念

遺伝情報によって病気のなりやすさなどが分かることで、保険の加入や雇用、
結婚などで差別や不利益な取り扱いにつながるおそれがあると懸念されることから、
ゲノム医療法では遺伝情報の適切な管理が行われ、不当な差別が行われないよう、
国に対して、医師や研究者などが守るべき事項に関する指針を作り、
差別や遺伝情報の利用が広がることで起きうる課題に適切な対応をとるよう求めている。

遺伝情報を活用する試み

生まれてくる赤ちゃんのうち、NICU(新生児集中治療室)に入院するほどの重い子の
約1割は原因がよくわからないとされている。
そんな赤ちゃんの遺伝情報を調べ、病気の診断や治療に結び付ける試みが
慶応大を中心に進んでいる。

遺伝情報を網羅的に解析し、病気のメカニズムの解明や治療薬の開発を加速する
研究は米国や英国などで進んでいる。日本政府は2019年、日本人のゲノムの
大規模データベースを作るプロジェクトをはじめ、がんと難病の患者を
対象に解析を進めている。


専門家の懸念

研究が進むことで病気の治療法や新薬開発につながるという期待がある。
同時に情報が不適切に使われず、差別されないといった安心感が両輪として
必要である、と専門家は語る。

今後の議論の必要性

法律に盛り込まれた「不当な差別」とは何か、
「必要な施策」とは何か は定まっていない。

これから議論することになる。

具体的に定義し、相談支援体制の拡充や啓発もしていかなければならない。

ひよこ学生の感想ひよこ

今回のゲノム医療法の成立によってゲノム医療が大きく前進すると思う。
個人によって異なる遺伝情報を詳しく解析することで病気の診断や患者に最適な治療法や薬の選択を行い、
特にがんや難病などについて研究や治療への応用が進む。

ただ遺伝情報によって病気のなりやすさなどが分かることで、保険の加入や雇用、
結婚などで差別や不利益な取り扱いにつながることはあってはならない。
患者さんが安心して最適な医療を受けられるように法整備をすることはとても大切だ。
薬剤師として患者さんにがん遺伝子パネル検査を勧め分子標的薬を使用するときに、
患者さんに遺伝子情報は厳重に管理をしており、差別を受けることは決してないので
安心してくださいと言える。

ただゲノム検査を受検するか否かの判断は慎重に行う必要があると思う。
ゲノム検査は良いことだけでなく、今後他人と比べて罹患しやすい疾患がわかり、
将来に対する不安や生きる希望を失うことに繋がる恐れもある。
このようにゲノム検査は良い点も悪い点もあるのでしっかり説明して患者さんが
納得する形にすることが必要だ。

薬剤師は臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーなどと協力し
患者さんが安心して治療を受けられるようにサポートすることが求められる。
患者さんの意向に沿った最適な薬物治療を提案し、
継続した薬学的支援を行っていくことが大切だろう。


熱帯魚おしまいうさぎ


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