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CAR-Tがん療法

薬学生のスクラップ 2022年 第3期 ③

CAR-Tがん療法


「CAR-Tがん療法 治験」


 CAR-T 細胞療法とは

がん患者の血液中にある免疫細胞を人工的に強化する治療法「CAR−T(カーティー)細胞療法」。
さまざまながんの治療に使えるようにするため、信州大病院でさかんに治験を進めている。


 この治療法は、患者から取り出した免疫細胞の一種「T細胞」に、がん細胞を攻撃する遺伝子(CAR)を組み込んで培養し、体内に戻す。
主な標的は、がん細胞の増殖に関わるタンパク質。現在は白血病や子宮がん治療の治験に取り組んでいるが、
このタンパク質は多くのがんに共通するため、他のがん治療への応用も期待されている。


 CAR遺伝子をウイルスではなく酵素に運ばせる



 米国ではCAR遺伝子をウイルスに運ばせてT細胞に入れる方法が主流だったが、「日本ではウイルスという言葉に忌避感が強い」と、
信州大学教授中沢洋三先生は、ウイルスの代わりに酵素を使う独自の方法に挑戦し、2年半の留学中に成果を出し、その技術を日本に持ち帰ることも特別に許可された。
酵素を用いる方がウイルスよりも安価に遺伝子を組み込め、免疫強化の効果が長続きすることも期待できる。


 遺伝子治療の夜明け


 帰国後、実用化に向けて製薬会社などに協力を求めても「日本で遺伝子治療は無理」と言われた。しかし2012年転機が訪れる、
人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授のノーベル賞受賞。
遺伝子治療への注目度が一気に上昇し、旧知の研究者や企業から問い合わせが舞い込んで治験が進むことに。

ひよこ学生の感想ひよこ

 薬物を効率よく標的部位に送達する方法(DDS)は非常に注目されている。バイオ医薬品はDDSの技術が必要不可欠。医薬品を標的部位に
運ぶ働き屋としてウイルスを用いる方法が主流だが酵素を用いる方法は画期的でこれからのDDSに期待したい。また、CAR-T療法はキムリアが有名だが、現在の薬価が3264万円と非常に高いために治療をあきらめてしまうケースも少なくないと聞く。そのため、少しでも安く済むように
ウイルスではなく、酵素を用いるなどより一層の工夫が求められる。

                                       うさぎおしまいベー


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