百日咳治療薬に対する耐性菌
薬学生のスクラップ2025年 第1期 ⑦
『百日咳に治療薬に対する耐性菌』
百日咳急増中 耐性菌の報告
子どもを中心に感染し激しいせきが続く「百日せき」の患者数が増加する中、これまで治療で使われてきた薬が効かない
「耐性菌」が各地で報告されています。
都内の病院では生後1か月の乳児が死亡するケースも出ており、
専門の医師は乳児へのワクチン接種を呼びかけています。
百日咳は重症化すると死亡する恐れも・・
百日せきは激しいせきが続く細菌性の感染症で、乳児が感染すると重症化して死亡するおそれもあります。
国立健康危機管理研究機構によりますと、全国の百日せきの患者数は今年、
これまでの累計で4100人と、
すでに去年1年間の患者数を上回っていて、専門の学会が注意を呼びかけています。
東京都立小児総合医療センターでは、去年11月以降、9人が百日せきと診断されて
4人が入院し、このうち生後1か月の乳児1人が亡くなりました。
なくなった乳児も耐性菌に感染
センターによりますと細菌の検査を行った6人中5人から通常、治療薬として用いられる
抗菌薬が効かない「耐性菌」が検出されました。
亡くなった乳児も耐性菌に感染していたということです。
また、生後2か月余りの子どもも耐性菌に感染しておよそ2週間入院し、先月末に退院しました。
通常の風邪と見分けがつきにくい
この子どもの父親はNHKの取材に対し
「医師に“小学校に通っているきょうだいから感染したのでは”と言われましたが、きょうだいはせきをしていても発熱はなく通常のかぜと見分けがつきませんでした。子どもが入院したあとでは、背中をさするくらいしかしてあげられない状況になってしまい、
早くにワクチンを接種していれば重症化しなかったのではと感じています」と話していました。
早めの受診とワクチン接種可能月齢での早期接種を
小児総合医療センター感染症科の医師は
「耐性菌に感染している患者の増加を憂慮している。
百日せきのワクチンは定期接種に含まれていて、耐性菌にも有効な予防となるので、
ワクチンを接種できる月齢になったら速やかに接種してほしい。
また、3か月未満の小さなお子さんで、
せきがひどいなと思ったら速やかに医療機関を受診してほしい」と呼びかけています。
学生の感想
百日咳が流行し、患者数が増加しているのは知っていたが、耐性菌が存在することなどは
初めて知りました。耐性菌は治療薬が効かず、重症化するリスクが大きいため、ワクチン接種
を勧めることや、せきの症状がひどい場合にはすぐに医療機関にかかるなど、感染を広げない
ための対策をしなければならないと感じました。
おしまい